待ち合わせていた大学時代の先輩と合流し、会場に着いたのは13時。会場予定時刻の30分前ほどだったが、既に100人ほど並んでいた模様。最終的に、フロアの1階がほぼ満席、2階に少しあふれたようなので、来場者は600人程度だった模様。ITmediaの記事によると、900人程度だったらしい。2階もいっぱいだったみたいですね。
第一部のテーマは、警察庁の最終報告に対して、現場では実際にどのような対策を講じているのか、ということが発表された。…はずなのだが、何故か内容は「局部の修正がきちんとされているかについての各分野での対応」に終始した。局部を無修正のままで出版することは、
刑法百七十五条(わいせつ物頒布等)
わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらの物を所持した者も、同様とする。
に違反するためとはいえ、
それ児童関係ないし!!!
ちなみに、このチェックは、印刷所・イベント主催者・同人誌販売店でそれぞれ行っているらしく、かなり詳しく話を聞けた。少し書くと、
など。また、昨今は女性の書き手が増えているが、女性は男性に比べてわいせつ物描写に対する認識が甘いという厳しい指摘も見られた。わいせつ物の描写は、18禁であるかどうか以前の問題で、犯罪であることを認識してほしい、とのこと。これは、男性の場合は、当人でなくても「やれ痴漢だ」「やれセクハラだ」という場面を見聞きすることが多く、そのような内容に敏感になっていることから自ずと自衛の意識が高くなっているのに対し、女性は雰囲気の美しさや芸術的な完成度を重視するあまり、細かなことに気が回っていない、という理由もあるのかもしれない。
あと、これは18禁に限った話ではないが、本には最低限「サークル名」「メールアドレス若しくは連絡先」「発行日」「印刷所名(これを言ったのは印刷関係者だったが)」は入れて欲しい、との主張もあった。自分で書いたものは最後まで責任を持とう、ということだ。同感。
第二部では、現場での現在の対策を踏まえ、今後各分野でどういった行動を起こすべきか、という話であった。また、最近施工された「児童ポルノ禁止法」についての主張も多かった。児童ポルノ禁止法を簡潔に書くと、「実在する児童の性行為またはそれに準ずる行為を収めたものを販売・頒布してはならない」といったものである。同法は、実在しない児童の描写は対象外であるが、これが実在しない児童に対してまで範囲が広がることは、断じて避けるべきだという主張は強かった。確かに、現在の漫画やアニメの主人公は高校生あたりであることが多い。児童ポルノ禁止法は性器のみならず乳首もNGなので、対象が広がれば現在の18禁同人誌はかなりの被害を受けるだろう。また、ストーリーの展開として性行為またはそれに準ずる行為の表現が必要であるという良作も多い。結論としては
あたりであった。故米澤代表が言われた言葉らしい「あいまいであることの良さが失われているような気がする」という言葉も、上の2個目を米澤さんらしい言葉で表現したものであろう。
その他、細かなことで印象に残ったことをいくつか。現在の法律では、性交とは男女で行うものという認識が強く、男性同士(BL=ボーイズラブ)や女性同士(ふたなりとか?)は性交としてあまり認識されておらず、規制が少ないらしい。しかし、仮にこの分野まで範囲が広くなったらどうするか、のような話になった際、
女性がBLの同人誌を読んで影響を受けたとして、何をするの?
という鋭いツッコミが印象的だった。
また、二次元世界である同人誌やアニメ・ゲームが児童に与える影響の話となった際、
二次元の世界はクローズドコンテンツとして完結した世界であるため、そのことが直接実社会に影響を与えることはまずないと言える。むしろ、二次元があまりにも完成した世界として存在しているため、
「俺は二次元でいい」
という考えを持ち実社会に興味を持たなくなるほうが心配だ。
という意見で、会場は大爆笑。たしかにそのほうがおぢさんも心配だと思うよ。というか、他人事じゃない気がするのは気のせいだと思いたい。(^^;